CCII 京都大学大学院医学研究科附属 がん免疫総合研究センター

インフォマティクス・プラットフォーム
インフォマティクス・プラットフォームは、高速シークエンサーをはじめとしたさまざまな装置から得られる定量情報のin silico解析を通じて、がん免疫研究の推進とサポートを行います。

研究内容

包括的なRNA代謝をターゲットとした計算生物学

細胞は、その種類ごとに特徴的なRNAのセット、すなわちトランスクリプトームを持っています。トランスクリプトームは細胞種を特徴づけるだけでなく、細胞を取り巻く物理的な外部環境や細胞コミュニケーションの状況、分子シグナル伝達に対しても応答します。SNPs等のゲノムの個人差もわずかずつながら、トランスクリプトームに影響を与えます。

RNAは単純にゲノムとタンパク質をつなぐ中間物質として存在するわけではなく、その安定性や翻訳の制御、DNA/RNA/タンパク質との多様な相互作用、液―液相分離を介した細胞内局在の制御など様々な制御レイヤを提供します。さらに機能が明確にされていないnon-coding RNAが大量にすることがわかっており、RNAを通じた細胞機能制御は、非常に複雑です。

近年、高速シークエンサーや関連技術に発展により、1細胞を対象にトランスクリプトームを解明することが可能になりました。さらに組織における空間情報や細胞内局在の詳細な情報まで解析対象に含まれつつあります。生命科学とコンピューター科学の融合分野に根差すプラットフォームとして、これらを適切にかつ大規模に解析する手法の開発やその適用を行い、がん免疫研究への貢献を目指します。

メンバー

教員

主な論文

Minegishi M, Kuchimaru T, Nishikawa K, Isagawa T, Iwano S, Iida K, Hara H, Miura S, Sato M, Watanabe S, Shiomi A, Mabuchi Y, Hamana H, Kishi H, Sato T, Sawaki D, Sato S, Hanazono Y, Suzuki A, Kohro T, Kadonosono T, Shimogori T, Miyawaki A, Takeda N, Shintaku H, Kizaka-Kondoh S, Nishimura S. Secretory GFP reconstitution labeling of neighboring cells interrogates cell-cell interactions in metastatic niches. Nat Commun. 2023 Dec 5;14(1):8031. DOI: 10.1038/s41467-023-43855-2. PMID: 38052804; PMCID: PMC10697979.

Matsushima S, Ajiro M, Iida K, Chamoto K, Honjo T, Hagiwara M. Chemical induction of splice-neoantigens attenuates tumor growth in a preclinical model of colorectal cancer. Sci Transl Med. 2022 Nov 30;14(673):eabn6056. DOI: 10.1126/scitranslmed.abn6056. Epub 2022 Nov 30. PMID: 36449604.

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